免疫を強化する方法④
こんにちは。江の島整体「癒芽身」の施術長 香野です。
ここ2回ほど新しいカテゴリーでお届けしました。今回は後回し×2で久々となってしまいました『免疫と深く関わる食べ物』の続編で、小麦について考察していきます。
…その前に、余談に少しだけお付き合いください。
ここ数日の初夏を思わせる陽気で一気に庭のバラが咲きました。
バラ? と思われた方、頭の中に浮かんだのは、所謂…こう…高島屋っぽいというか、艶やかな「バラ!」だと思います。が、これは控えめに&可憐に咲く「野ばら」です。
僕は一年の中で今くらいの時期が一番好きで、特に5月は外を散歩しながら全身で ❝息吹浴❞ を満喫して過ごす特別な月なのですが、今年は家の中で過ごす「1/知らぬ間に過ぎてゆく月」になってしまっていて…まぁ、仕方ないことなのかも知れませんが、とにかくとても残念に感じていまして…というところに!「野ばら」です。その花々がふと目に入るたび、何となくいい気持ちです。
こうして、初夏の晴れた日の身近な風景を1日中ゆっくり拝見するという、もしや生まれて初めての経験をさせてくれる今年の5月も、実はそう悪くないのかも知れない…そう思ったりします。
…さて!小麦の話に入ってまいりましょう。
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では、『免疫と深く関わる食べ物』連載のこれまでを、ザザッと振り返ってみます。
健康を手に入れるためには「何を食べるか」ではなく「何を食べないか」で免疫を高めることが重要。砂糖、小麦、乳製品、この3つの食品を食べないことで免疫が格段に高まる。逆に、これらを日常的に摂取することで免疫が大幅に低下してしまう。
先ず砂糖に於いては、全身の血液&血管を粗悪な状態に変貌させてしまう。(バックナンバーは こちら)
と、こんな感じでした。
そして今回は、食べないに越したことはない食品2つ目、「小麦」についてです。
「ってことは、グルテンフリーとかそういう話?」 おっ!素晴らしい、健康意識が高いですね。
ただ、「グルテンフリー」がどうのこうのと、その言葉に寄せて展開しますと、ありきたりの ❝お勉強会❞ っぽくなってしまいますし、アレルギーとか…つまり、体質的に向き不向きがあって、反応が出ない人には無関係、という方向にも意識が行き易くなります。
ですので、ここではあまりその「グルテン」とか「グルテンフリー」という言葉には縛られずに、日常のシーンを一緒に振り返ったりしながら感覚的な共有をしたいなぁと、そんな風に思います。
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このところの ❝美味しいパン❞ ブームは、未だ終わることを知らない勢いなのは言うまでもなくですが、「コムギ」って聞くと、どこか爽やかで、軽やかで、忙しく頑張る人のライフスタイルを応援しているような、そんな快活でヘルシーなイメージまでも感じてしまうように思います。
また、特に好物というわけではなくとも、特にお腹が空いていなくとも、とりあえず食べられてしまうのが、この小麦を使った食品の特徴と言えるかも知れません。
サンドウィッチ、パスタ、ピザ、パンケーキ、ラーメン、餃子、肉&餡まん、うどん、蕎麦…
「蕎麦はそば粉」と認識されている方が多いかと思いますが、実は市販のものや、お蕎麦屋さんで扱ってるものの多くが、そば粉以上の割合で小麦粉が(❝かさ増し❞の役割で)含まれているのが実情です。
そんな ❝とりあえず時❞ の理由についてはどれも、
「お手軽なので…」
「食欲が無い時でもスッと入るので…」
「ゆっくり食べてる時間が無い時は…」 などなど
と、こんな感覚が伴っている場合が多いのではないでしょうか…?
そして、それらの理由から小麦の食品共通の ❝イイところ❞ が見えてきます。それは、
「食べたくなかったのに食べられてしまう」
という特徴です。
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小麦から作られた食品は「食べる」を軽やかで楽しい作業に変えてくれるものばかりだなぁと、そんな印象を僕は持っています。
口を開けてから飲み込むまでの一連の流れ、そのどこを取ってもとても魅力的です。
わくわくする香ばしさ、柔らかな舌触り、
軽い歯ごたえ、優しい口溶け、滑らかな喉越し…
そう、食べ物が喉の先に収まるまでの時間、何とも言えない良い気分にさせてくれるのです。
僕も「食べる」ということに関してだけ言えば、小麦の食べ物は大好きなものばかりです。
ですが、そこから先…これがどうも宜しくありません。
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僕は整体師という職業柄、自分のカラダを使って健康状態の変化をテストすることを頻繁に行っています。軽い ❝セルフ人体実験❞ とでも言いましょうか…。
小麦に関しましてもそれを行っていまして、「減小麦」を初めてから現在まで、継続することおよそ6年くらい、「小麦抜き」にバージョンアップしてからはおよそ1年くらいになります。
砂糖の回では言いそびれてしまいましたが、「シュガーカット」は7月で丁度1年になります。
小麦を絶ってからの体調変化としまして、ハッキリと体感したことが幾つもあるのですが、その全てをひっくるめた印象を一言で申しますとこんな感じです。
小麦を食べないと カラダが軽い。
そう、とにかくカラダを動かすことが楽になりました。
そして、重ダルさがカラダから無くなってくれたことで、以前=小麦を摂っていた頃が
実は「いつも疲れた状態」だった
ということを知ったのです。
往々にして、悪い状態というものは それが改善して初めて「今まで悪かったのだなぁ」と気付くものです。カラダに於いてのそれが顕著なのが、整体を初めて受けた時だったりします。
今、改めて小麦を普通に摂取していた頃を振り返りますと、立つことにも、歩くことにも、ベッドから起き上がる時ですら…こう、いちいち重力と闘っている感覚が伴っていたとでも言いますか、カラダがその時置かれた場所にフィットするのに、常にワンテンポ遅れ続けているような…そんな、「カラダがいつも重い状態」だったんだなぁと、実感するのです。
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ところで、「軽い」という形容詞はこれまでたびたび登場していると思います。…お手軽、軽やか、軽い歯ごたえ、そして前段の「カラダが軽い」です。
なるほど、小麦は「軽さ」が持ち味なのですね~。 …いや!ちょっと待ってください。
前段で、小麦を食べないと「カラダが軽い」けれど、食べると「カラダが重い」というお話をしました。
ということは、食べるまで …つまり、口の中までは軽いけど、そこから先は重くなる、ということになります。
前述に小麦の食感についての魅力的特徴を書かせていただきましたが、そこにヒントがあります。今一度見てみましょう。
わくわくする香ばしさ、柔らかな舌触り、
軽い歯ごたえ、優しい口溶け、滑らかな喉越し…
さぁ、この中に化けた瞬間のシークエンスがあります。ではその境界を色でお伝えします。
わくわくする香ばしさ、柔らかな舌触り、
軽い歯ごたえ、優しい口溶け、滑らかな喉越し…
お分かりですね。
そう、当たり前のように思っていた小麦食品特有の食感の変化は、実は「免疫力を下げる理由」に直結する ❝恐ろしい現象❞ なのです。
サクッとしていた直後、一気にドロッと溶けてしまう、このような一瞬で起こる極端な変化は、他の原料の食品には見られないと言って良いものです。
でも、その食感の変化がどう恐ろしいのでしょうか?
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皆さん、こんな経験はないでしょうか。
パンやピザやナンを食べた時、或いは麺類をよく噛んで食べた時など、奥歯と帆頬の内側の間(⇒親知らずを抜いた後の隙間など)にボテッとした塊が、ペトッと張り付いたように詰まってしまい、舌先では取り除くことが出来ずに、口をゆすいだり、指先で掻き出したりしてそれを取り除いたこと、ありませんか?
「…あ、そう言われてみれば、よくやってるわぁ、指で」「確かに米食った時には、それ無いな」
などという方、結構いらっしゃるのではないでしょうか。
因みに僕は小麦を摂っていた当時、パンなど食べた後は ❝恒例行事❞ になっていました。
小麦粉は、グングン水分を吸収しながらネバネバでボッテリした塊へと体積を増しながら変化(=膨潤)する、という特徴があり、しかもそれは非常に粘性が高い強固に結束した物質となります。
パンを作ったことのある方はお解かりだと思いますが、パン生地はボールを逆さまにしても落ちませんよね。
例えば、パンを飲み物無しで食べたりした時、噛んでるうちに口の中がパサパサに乾き、飲み込む際に喉につっかえるようになるのは、この現象が起こっているからです。
小麦には「グリアジン」と「グルテニン」という2つの蛋白質があり、それらが水を含みますと「グルテン」という、ベタベタ&ネバネバ&ボッテリな物質に変化します。
「分かった!小麦を食べる時は、唾液を吸収する間を与えずにすぐ飲み込んじゃえば良いんだ!」
いやいや、ちょっと待ってください。
喉から先の消化器官の中は乾いた状態なのでしょうか?…勿論違いますよね。
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飲み込まれた小麦食品は、器官内の在る水分(⇒粘膜、消化液、同時に摂った物の水分など)をグングン吸収しながらボッテリと膨張し、ベトベト&ネバネバに粘性を増しながらダラ~ッとへばりつくようにして面積を広げながら食道を下り、その先で待ち構える胃へと進んでいきます。
ジャム瓶入りの蜂蜜をうっかり瓶の外側へこぼしてしまった時、ゆっくりと瓶の下へ向かって流れ降りていく蜂蜜の状態を思い出してみてください。
胃に到着しました。
「待ってましたぁ!私が相手になりましょう」と、胃液がこれを消化分解に掛かります。
いや~、これで一件落着!…いや、それは早合点かも知れない…思い出してください。
最初に任務にあたった消化液 = 唾液には歯が立たなかったことを…。
歯の奥に詰まった塊は小さくならずに、ずっとそこに居座ろうとするかの如く留まっていました。強かにも、唾液の消化力を敵に回す前に、唾液の水分を味方に付けてしまったのです。
残念ながら、胃でも同じことが起こってしまいました。
ボッテリした塊は消化器管の内壁を、ネバネバと覆うように胃壁にこびり付きながら、更にその先にある免疫機能の要、小腸へと向かって進んでいきます。
小腸は、胃で消化された栄養を取り入れ吸収する窓口であり、消化液で退治できなかった毒素を ❝一網打尽❞ にする「防御の砦」でもありますので、小腸の機能のポテンシャルは、健康状態のポテンシャルと直結します。小腸は我々のカラダに於いて ❝免疫力創りのメインステージ❞ なのです。
小腸の内壁の粘膜には絨毛突起(じゅうもうとっき)と呼ばれる無数(約400万とも言われている)のヒダがあり、吸収すべきもの(栄養、水 etc.)と退治すべきもの(ウィルス、菌、化学物質 etc.)を仕分け&処理しています。
以前えのすぱで開催した僕のセミナーで「腸管免疫」について講義させていただいたことがありましたが、そちらに出席された方は、何となく覚えていらっしゃるのではないでしょうか。…忘れちゃいましたか?…またいつかセミナーで…。
そしてここ小腸でも、恐ろしいことが起こります。
ボッテリした塊(グルテン)がベッタリと小腸の内壁こびり付き
「免疫を高めるべく働く小腸の機能」を封じてしまいました。
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ベトベトの粘性は、大腸へも侵入してゆくこととなり、大腸壁にもベッタリへばりつき、腸内細菌環境を悪化させます。こうなりますと、言うまでもなく
「便秘になり易い」=「 毒物が多く常駐している体質」
になってしまいます。⇒肥満の原因になることも、言わずもがな、です。
体内に入った食物は蠕動運動(ぜんどううんどう)という、先へ先へと進んで行かせるための波打つような消化器官の自発的運動をしますが、小麦はそれを妨害します。その結果消化器全てが疲弊し慢性的に疲労を感じ易くなるのです。
よく「毎日パン沢山食べてるけど、お通じバッチリだから、私はグルテン大丈夫みたい!」という方がいらっしゃいますが、そうした方には次のことのチェックをおススメします。
・便が便器の水に沈む ・便が細い or コロコロしている ・流しても便器にこびり付きが残ることがある
何れか思い当たることがあれば、小麦食品を減らす習慣をつけると宜しいかと思います。&お通じが悪い方は尚のこと…
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さて、ここまで小麦食品が、飲み込まれた後どうなってゆくのかをご一緒に見てまいりました。
如何でしたでしょうか、小麦の化けの皮、躊躇なくご一緒に剥がせましたでしょうか。
❝自粛明け❞ を目前にした今だからこそ、小麦を減らす…或いはキッパリと手を切るというのは、これからの人生に対して超前向きな行動で、大変宜しいのではないかと…僕は思っております。
ま、それは、食の嗜好性でもあって、僕がとやかく言うことではありませんね、…その代わりと言っては何なんですが、遅ればせながらの新年度の始動に際し、僭越ながら1つご忠告を…。
「爽やかさ」「素直さ」「扱いやすさ」を印象付けて入社して来たものの、入社後間も無く「文句たらたら言い訳三昧」「動かない」「足を引っ張る」という凄まじい変貌ぶりを見せてくれる、
「小麦ちゃん」にご注意ください。
さて今回はこの辺にしまして、失礼致します。
皆さまの健康を心よりお祈り申し上げます。
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